この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
ご相談者様は、配偶者のある方との関係について、相手配偶者から300万円もの高額な不貞慰謝料請求を突然受け、大変な不安を抱えてご相談に来られました。請求書には、「不貞の事実は明白である」「すぐに支払わなければ法的手続に移行する」といった強い文言が並び、心理的にも大きな圧力がかかっていました。確かに、ご相談者様には不貞行為があったことは事実でしたが、実際には、関係の頻度が少なく、継続性も乏しいものであり、また、相手夫婦は今後も婚姻を継続する意向であることが確認されていました。このような背景のもと、請求された金額が妥当なのかどうか、どのように対応すればよいのか、ご相談者様は深く悩まれていました。
解決への流れ
ご相談を受けた当職にて、まずは相手方の請求の根拠を整理・検討しました。不貞行為自体は否定できない事案ではありましたが、・回数・頻度が非常に限定的であったこと・相手夫婦が婚姻関係を解消せず、今後も継続していく予定であること・不貞による精神的損害の程度は限定的といえることこれらの事情を総合的に考慮したうえで、類似の裁判例や相場と照らしても300万円という請求は過大であると判断しました。その上で、早期解決を図りたいというご相談者様の意向を踏まえ、相手方に対して丁寧かつ法的根拠をもって交渉を行い、求償権の放棄などの条件も含め、50万円での和解案を提示。結果として、相手方も当方の説明に納得し、請求金額を大幅に減額した上で、50万円での早期示談が成立しました。
不貞慰謝料の請求は、事実が一部認められる場合であっても、その損害の程度や影響の大きさによって賠償額は大きく変動します。本件では、相手方の婚姻が継続する見通しであること、交際の実態が軽微であったことなどを冷静に整理し、法的な根拠と過去の判例を踏まえて主張することで、大幅な減額を実現することができました。不貞行為があった場合でも、一方的に高額な金額を支払わなければならないとは限りません。状況に応じて適切な対応をとることが重要です。突然の請求で精神的に大きな負担を感じておられる方も多くいらっしゃいますが、冷静に法的観点から検討することで、過剰な支払いを避け、妥当な解決を図ることが可能です。まずはお気軽にご相談ください。