この事例の依頼主
女性
相談前の状況
被相続人は相談者の父であったが、相談者が小学生のときに父母が離婚した後、被相続人とは音信不通の状態となった。ある日、相談者の伯母(被相続人の姉)から相談者宛に電話があり、被相続人が死亡したことを伝えられた。被相続人、伯母ともに北海道から遠い都府県在住だったため、相談者は、叔母から、伯母の家族が被相続人の自宅の片付けをするので、遺産が存在することが判明したら連絡する旨を伝えられた。相談者は、伯母から何も連絡がなかったため、プラスの遺産もマイナスの遺産もないと考えていたが、被相続人が死亡して2年ほど経った後、被相続人の債権者から相続債務に関する書面が届いたことから、慌てて弁護士に相談した。
解決への流れ
相続放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に行う必要があります。本件において、相談者は被相続人死亡の事実を死亡後遅滞なく知ったため、相続開始後2年以上経過した段階で相続放棄ができない可能性がありました。しかし、本件における特殊性をもとに、自己のために相続の開始があったことを知った時は債権者からの書面が届いた時であると説得的な説明を付記して相続放棄の申述を行った結果、無事受理され相続放棄することができました。
被相続人と疎遠な場合で、財産状況がよくわからない場合は、負債の継承を避けるため、相続放棄をした方が良いこともあります。相続放棄について検討したい場合は早めに弁護士等の専門家に相談することをお勧めします。